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ハードディスク消去ツール / wipe-outでデータ復旧

初版: 2007-12-20
最終更新日: 2011-03-26



壊れかけたハードディスクからの データ復旧(サルベージ)にも使えます
ハードディスク消去ツール「wipe-out」


●はじめに

 ハードディスク消去ツール「wipe-out」は、 ハードディスクに記録されているデータを 読み取ることができないように消去するために作ったソフトウェアです。

 「wipe-out」は版を重ねるうちに、 「CDブートでハードディスクを扱うソフトウェア」として いくつかの機能を追加していきました。 その一つが「ハードディスクのコピー」です。

 これまでに、何件か「Windowsがブートしなくなったが、データを復元したい」 といった相談を持ちかけられることがありました。 そんなときは、「wipe-out」を起動させて、 その故障の原因がハードディスクにあるのか、そうでないのかを 切り分けてみたりしました。 また、壊れかけているハードディスクから、 できるだけそのハードディスクにダメージを与えずに、 別のハードディスクにデータをコピーするという作業を、 「wipe-out」のシェルから手で「dd if=/dev/ad0 of=/dev/da1…」 みたいに実施したことがありました。

 「じゃ、この機能を組み込んだら楽なんじゃないか」と考え、 2007年公開のv0.7より、ディスクのコピー機能を用意しました。 さらに、v1.0からは、ディスクのコピー時間を短縮できるようにしました。


●ディスクのコピー機能

 「wipe-out v1.0」でのディスクのコピーは、メインメニューから のいずれかを使います。 前者は速度を重視し、 後者は読み取りエラーの影響をできるだけ小さくすることを重視しています。

 やっていることの中身は、 いずれもUNIXの「dd」コマンドによるコピーです。 コマンドに与えるオプションにより、 速度を重視するのか、 エラーの影響を小さくするのかを変えています。


●コピー機能の使いかた

 ディスクをコピーするには、当然、コピー先が必要になります。 コピー元のハードディスクより容量の大きなハードディスクを用意してください。 「物理的に大きな」じゃなくって「容量の大きな」です。 たとえば、コピー元が250Gバイトだったら、コピー先は320Gバイトとか。 用意したコピー先ハードディスクをUSBなどのインターフェースで (場合によってはSATA/IDE→USB変換インターフェイスを使って) パソコンに接続します。  コピー先のハードディスクを接続した状態で「wipe-out」を起動し、 上に書いた「ディスクをコピーする」を選択し、 次にコピー先のディスクを選択するとコピーが始まります。


●壊れかけたパソコンのデータ復旧(サルベージ)

 落下などの物理的な原因で動かなくなった パソコンのデータをコピーしたい場合は、 そのパソコンからハードディスクだけを取り外し、 そのハードディスクに記録されたデータを、 さらに別の新しいハードディスクにコピーするといいでしょう。  用意すべきものは基本的に次の三点。 場合によっては、 が必要かもしれません。

 コピー元、コピー先のハードディスクを接続したパソコンが用意できたら、 次は「wipe-out」を起動します。 起動したら、メインメニューから 「別のディスクを選択する」 を選択し、コピー元のディスクを指定します。 この「別のディスク…」のサブメニューで、 コピー元のハードディスクが出てこなかったり、 コピー元のハードディスクが動いている様子がなかったら、 そのハードディスクは完全に壊れてしまっていて、 「wipe-out」ではどうにもできないかもしれません。

 無事にコピー元のハードディスクを選択できたら、 次は「ディスクをコピーする」を選びます。 コピー元のハードディスクにあまり負担をかけたくない場合は 「ディスクをコピーする(高速/バックアップ向け)」を選択しましょう。

 次にコピー先のハードディスクを選択して、 確認画面でコピー元、コピー先の情報をよーく確認してから、 画面の指示にしたがってエンターキーを押します (間違ってたら「No」を選択してください。メインメニューに戻ります)。 ハードディスクの容量や速度にもよりますが、 数十分〜数時間でコピーは終わります。


●コピーが終わったら

 コピーが終わったら、「wipe-out」のCDを取り出し、 電源を切ってから、 コピー元、コピー先のハードディスクも一度取り外して 普通にWindowsをブートします。 あ、もちろん、Linux派の人はLinuxを、BSD派の人はBSD… のように、普段お使いのOSをどうぞ。

 普通にブートしたあと、コピー先のディスクを接続します。 ここではUSBのようなホットプラグ可能な インターフェースでの接続を仮定しています。 接続して認識すればとりあえずOk。 さらにファイルがきちんとコピーできているかどうかを確認してください。 ついでにWindowsならディスクのチェック(scandiskまたはchkdsk)してみましょう。

 もし、ファイルが見えない、ファイルシステムとして認識しない場合も あきらめないでください。 市販されているデータ復元ソフト(たとえば「フ○イナルデ−タ」)を 使ったらデータを取り出せるかもしれません。

 市販のデータ復元ソフトでは、 データを復元できるかどうかをチェックできる 「お試し版」を無償提供している場合もあります。 こういった無償のツールも有効に活用しましょう。


●おわりに

 以上のような手順で、 これまでに何件かのデータ復旧(サルベージ)を試してみました。 うまくいった場合もありますし、 ハードディスクが完全に壊れていて無理だった場合もあります。 でも、最後の望みとして「wipe-out」や市販の復元ツールに 賭けてみるのも悪くはないかも…。


●関連リンク


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