/* X-Window用恵梨沙フォント "elisau10.bdf" は、 */ /* オリジナル版恵梨沙フォント "ELISA100.FNT" を */ /* いしじま☆だい が */ /* X-Window用に改変し、「恵梨沙フォントPJ」の */ /* 正式な承認をうけたものです。 */
では、小さい画面に大きな窓を開くにはどうすればいいのでしょうか? 答えは簡単、画面サイズに見合う小さなサイズの文字フォントを使えばいいのです。 この X-Window System用恵梨沙フォント "elisau10" は 幅10ドット、高さ8ドットの日本語フォントです。 このフォントを使えば、640x400ドットの画面でも120桁x45行の スクロールバーつきの ktermを開くことができます (設定によって桁・行数の限界は若干変化しますが)。 もちろん、"elisau10" は、PC-UNIX に限らず、 他のUNIX/X-Window System環境 (例えば NEWS-OS など) でも利用可能です。
この "elisau10" は、 恵梨沙フォントファミリー の一つです。オリジナルの恵梨沙フォントは、 手のひらサイズのパームトップコンピュータ」 HP 95/100/200LXの日本語化のために、 NIFTY-Serve FYHP/FYHPPC/FHPPC 「恵梨沙フォントPJ」 のメンバーによって 「フリーなフォントを自分たちの手で」という基本理念のもとに 作られたものです。 その後、Newton版、DOS/V FONTX2版、 ポケットコンピュータ PC-E500版、 パームトップコンピュータ Psion版、 カードコンピュータChipCard版、 そしてこの X-Window System版…と次々に誕生しました。 恵梨沙フォントファミリーは、 さまざまなコンピュータで使える、小さくてかわいい日本語フォントなのです。
hosoku.txt Nifty FEPSONX へのアップロード時の補足説明
elisau10.doc このファイル
elisau10.bdf bdf形式の X11用恵梨沙フォント
elisa100.doc オリジナル版恵梨沙フォントのドキュメント
fonts.alias フォント名定義ファイル
clR5x8-s5x8.diff 既存の5x8ドットフォントへのパッチ
が入っています。 「3. インストール方法」を参考に、みなさんの環境にあわせ
てインストールしてください。
また、オリジナル版恵梨沙フォントのドキュメントである elisa100.doc には、 著作権、使用条件、再配布・転載条件が記してあります。 elisau10.tgz の使用条件、再配布・転載条件は オリジナル版に準じますのであわせてお読みください。
では、インストール方法を順に解説します。 ここでは、/tmp に置いてあるアーカイブファイル elisau10.tgz から、 すでに存在する /usr/local/lib/fonts ディレクトリにフォントを インストールする場合を例にして説明します。 なお、このディレクトリは書き込み可能で、 すでにX11のフォントパスに登録されているものとします (通常、フォントファイルがインストールされているディレクトリ は root にならないと書き込めないことが多いのでご注意を)。 ここでの例とインストール先ディレクトリなどが異なる場合は、 それぞれをみなさんの環境にあわせて読みかえてください。
また、以下の記述では、bdftopcf(1)/bdftosnf(1), patch(1), mkfontdir(1), xset(1), xfd(1), xlsfonts(1) などのコマンドのあるディレクトリが $PATH に登録されていることを前提としています。 なお、以下の例の行頭の「%」は Cシェルのプロンプトを表しています。つまり、
% echo foo
は、「echo foo」と入力して、最後に改行キーを押すことを意味します。
まず、アーカイブファイル elisau10.tgz を gunzip(1) と tar(1) で解凍します。
% cd /tmp
% gunzip -c elisau10.tgz | tar xvf -
次に、解凍された bdf形式のフォントファイルを環境にあわせて
pcfや pcf.Z形式、あるいは snf形式などに変換します。
FreeBSD/XFree86 なら
pcf.Z形式がいいでしょう。
もちろん、フォントファイル形式を変更せずにインストール先に
コピーするだけでもかまいませんが、
ファイル形式を変更しておいた方が便利だと思います。
% bdftopcf elisau10.bdf |
compress > /usr/local/lib/fonts/elisau10.pcf.Z
(長いので折り返しています)
% bdftopcf elisau10.bdf > /usr/local/lib/fonts/elisau10.pcf
% bdftosnf elisau10.bdf > /usr/local/lib/fonts/elisau10.snf
(このうちのいずれかを実行します)
これでフォントの登録作業を行えば恵梨沙フォントは使えるようなります。
しかし、既存の5x8ドット英数フォントと組み合わせると kterm などでバランスが
悪くなってしまうことがあります。
そこで、既存のフォントにパッチを当てて、
恵梨沙フォントにマッチするフォントを作成しましょう。
このパッチ (clR5x8-s5x8.diff) は、
フォントの ASCENTという属性を7から6に、
DESCENTという属性を1から2に変更します。
使うフォントは Dale Schumacher さん作の clR5x8.bdf です。
このフォントは、 例えば
Walnut Creek
の X11R6 CDROM - APRIL 1995 Disk 2の
/distrib/X11R6/xc/fonts/bdf/misc や
UnixUser
LibCD Vol.13 の /XFree86-3.1-untarred/xc/fonts/bdf/misc など
にも入っている X Consortium 標準配布の 5x8ドットフォントの一つです。
この clR5x8.bdfを現在作業しているディレクトリ (/tmp) にコピーし、
パッチを当てます。
以下に /cdrom にマウントした Walnut Creek の CD-ROMに 入っているフォントに
パッチを当てる例を示します。
% cp /cdrom/distrib/X11R6/xc/fonts/bdf/misc/clR5x8.bdf .
% patch < clR5x8-s5x8.diff
もし、clR5x8.bdf 以外のフォント、例えば 5x8.bdf を使いたい場合は、
パッチファイルを参考にして手でパッチを当ててください。
パッチを当てたら、elisau10.bdf 同様、 環境にあわせてファイルを変換します。
% bdftopcf clR5x8.bdf | compress > /usr/local/lib/fonts/s5x8.pcf.Z
% bdftopcf clR5x8.bdf > /usr/local/lib/fonts/s5x8.pcf
% bdftosnf clR5x8.bdf > /usr/local/lib/fonts/s5x8.snf
(このうちのいずれかを実行します)
さて、これでフォントファイル自体は用意できました。
次にこれらのフォントファイルを Xサーバに認識させるための
登録作業を行います。
登録は mkfontdir(1) による fonts.dir ファイルの更新と
フォント名の fonts.alias への追加で
す。
% mkfontdir /usr/local/lib/fonts
% cat fonts.alias >> /usr/local/lib/fonts/fonts.alias
最後に xset(1) でフォントパスの再ハッシングをしておきましょう。
% xset fp rehash
これでインストールは完了です。
% xfd -fn elisa
どうですか? とってもかわいいフォントが表示されたと思います。
つぎにフォントの情報を取り出してみましょう。
これには xlsfonts(1) を使います。
% xlsfonts -ll elisa
最後にkterm(1)
を動かして実際に使ってみましょう。
% kterm -fn s5x8 -fr s5x8 -fk elisa -sb &
窓が開いたら、マウスカーソルをこの kterm上にもっていって、
% cat /tmp/elisau10.doc
で
このファイルを表示
してみてください。 高さ8ドットのフォントでもちゃんと
読めるでしょう :-) (kterm の漢字コードの設定もお忘れなく)。
画数の多い漢字も見事に表現されていることにきっと驚かれると思います。
これぞ
「恵梨沙フォントの "嘘字" の妙」
といったところでしょうか。
最後に、これからも 「恵梨沙ちゃん」 と 「恵梨沙フォントファミリー」 の健やかな成長を願って。