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IrDAドングル

初版: 2004-06-29
最終更新日: 2004-06-29


IrDAドングル



最近のノートパソコン、特に「モバイル向け」と称される 小型のノートパソコンでは、 シリアルポートやプリンタポートといった「レガシーI/O」が 搭載されないものが増えてきました。 以前のノートパソコンでは、 有線シリアルと赤外線シリアルを装備しているものが多かったのですが、 これらの最近のノートパソコンでは、「レガシーI/O」の省略にともなって、 赤外線シリアルポートが使えません。

しかし、その一方で、USBポートに接続する赤外線アダプタ、 いわゆる「IrDAドングル(USB-IrDAブリッジ)」がいくつか市販されています。 このページでは、PC-UNIXにこれらの「IrDAドングル」をつないで、 SL-Zaurusとデータ交換ができるかどうかを紹介します。

注: SL-ZaurusにIrDAドングルをつなぐのではなく、 IrDAドングルをつないだPC-UNIXマシンとSL-Zaurusとの間で データ交換を行う方法などを紹介する予定です。


●NetBSDとIrDAドングル

手元のパソコンに、NetBSD 1.6.2 をインストールしたので、 これまた手元にあった、以下のIrDAドングルをつないで、 きちんと認識できるかどうか試してみました。
  1. リンクエボリューション「IrSTICK」
  2. SYBA「SD-U1IRDA-A01」
  3. Mars II「MII-890」
これらのうち、IrSTICKとMII-890は、 いずれもNetBSDのustir(4)ドライバで認識されました。 USBポートにこれらのドングルを接続した場合には、 次のログが残ります。
/netbsd: ustir0 at uhub4 port 1 configuration 1 interface 0
/netbsd: ustir0: Sigmatel Inc IrDA/USB Bridge, rev 1.10/0.08, addr 3
/netbsd: irframe0 at ustir0: SIR, MIR, FIR
一方、SD-U1IRDA-A01は、次のようなログとなり、うまく認識しませんでした。
/netbsd: uhub4: device problem, disabling port 1
IrSTICKとMII-890をUSBハブ経由で同時に接続したときに、 usbdevsコマンドを使うと、次のような出力が得られました。
# usbdevs
addr 1: OHCI root hub, NEC
addr 1: OHCI root hub, NEC
addr 1: UHCI root hub, Intel
 addr 2: Standard USB Hub, Atmel
  addr 3: IrDA/USB Bridge, Sigmatel Inc
  addr 4: IrDA/USB Bridge, Sigmatel Inc
addr 1: UHCI root hub, Intel
ustir(4)ドライバがうまく割り当てられているようなので、 SL-Zaurusとのデータ交換や、赤外線応用アプリのクロス開発などに、 役立てたいですね。


●その他NetBSDの情報

NetBSDは、さまざまな機種で動作します。 特に、hpcarm、hpcmips、hpcshなど、 ハンドヘルド機をサポートしているところが、 他の*BSDと比べて充実しています。

ハンドヘルド機のサポートが充実しているからか、 IrDA関連も他の*BSDより充実しています。 上記「USB-IrDAブリッジ」のようなデバイスドライバのサポートだけでなく、 パッケージでもIrDA関連のツールが用意されています。 たとえば「birda-1.1」には、

といったツールが用意されていました。


●参考文献